2008年12月30日火曜日

web1.0の先ーーー年末雑感

10年以上もネットコミュニティに関わっていると、webが見えて面白い。

90年代半ばは、実はパソコン通信全盛で、niftyの中は大盛況だった。
95年暮れにwin95が発売になると、niftyは会員数が最高になっていったのが事実である。
私の所属していた「IRM(情報資源管理)研究会」(異業種システム屋の集まり)の中では、まさかコンピュータが通信の手段になるなんて、という認識だった。

封書で連絡していたのが、メールに切り替わったは96年末くらいであったか。
新卒採用にもメールを使おうとしていたが、届かなかったり、2ヶ月も経ってから届いたりしていた。
インターネットは96年までは不安定だったし、パソコン通信でインターネットができると信じられていた。

97年くらいからは安心して使うことが出来たが、webはまだまだであった(通信速度、接続料金)。
その頃、世の中のスケベおやぢ達が、こぞってインターネットに参加し始めて技術開発を後押しした(笑
INS64などという高いサービスを買って、必死に接続していったのである。
家庭用ビデオの普及と同じである。

まだ見ぬ地平の先には、おなごの裸が在ったのである…(^^;;;

最近評判になったのがweb2.0ではあるが、企業と企業の中に進んで行くのであって、個人への波及がそれほど見えない。
あるとしたら、出会い系としてのweb進化かも知れず、個人相手としてはどんどん小粒になるしかないよな。

まぁ、世の中のスケベおやぢ達は不滅で無敵だからなぁ・・・

2008年12月14日日曜日

日本はExcelで廻っている

Excelに敵うソフトはあるのか。
日本の業務現場を廻しているのは、エクセルだ。

オープンソースだ、フリーソフトだ、などと言われながら、この20年でインターネットを除くとこれほどのソフトウェアは発明されていない。
企業内に入り込んでいるソフトウェアとしてはトップであろう。

とにかく、企業内の業務ソフトのバージョンアップに立ちはだかるのがExcelでもあるのだ。
ユーザからの支持も凄い。
「Excelで出来ているんだから実現可能だよね?」
かなり難しいケースが出てきてしまう。
それにシートとブックという概念でデータベースとしては、ユーザにとって手放せないモノとなっている。

ビジカルク('79)、マルチプラン('82)、ロータス1-2-3('83)、Excel(Mac版'85、dos版'87)と、表計算ソフトのデファクトスタンダードは、時代ごとに変わってきてはいるが、縦横に広がるセルで構成された電子の表に、数値や文字、計算式を入れていくという、基本的な考え方はほとんど変わってはいない。

フリーソフトなどと聞いてもやっぱり、比べてしまう。

結局、Excelを上回る業務ソフトは出ていないのではないか。

2008年11月30日日曜日

ようやく始まるXP展開

9月まで居た商社では、春から順次XPに変えていた。
今のメーカさんに来てみると、先月からXP展開が始まったばかり。

Vistaは可哀想

ここまで嫌われるとは思わなかったが、MSの財務諸表にはボディブローのように利いているだろうね。
やはり、クライアントOSは現在の技術での最適化ができたのではないか。

企業内業務システムは、集中化へ向かっており、ユーザのエントリはブラウザベースである。
クライアントOSは最小限で好い。欲しいのはVMの安定。
まぁ、またぞろ経費削減でしか予算が取れない時代になってきている中で、多くの追加投資を生むクライアントOSはいらない。

2008年11月8日土曜日

オバマは殺される

既に様々なメディアで言われているが、オバマは大統領就任式まで生きていられるのだろうか。

そうなって欲しくないけど、アメリカの歴史は忠実だ。
リンカーン、ケネディ、、、レーガンも狙撃された。

本当にオバマは、大統領の宣誓台に立てるのか。

それが一番の心配なのだ。

殺してくれるな、アメリカ。
頼むから暗殺しないでくれ。

2008年11月2日日曜日

webサイトの賞味期限

インターネットも10年を過ぎて、通信・コミュニケーションのインフラとして認識されては来たが、その本質は・・・見えてきていない。

サイクルが短くなるというよりは、その生体としての時間を持ち始めているのだろう。
その時間は人間の持つ生理的な時間でも、様々な業界が持つ固有の時間でもない。
独り立ちするのではなく、世界と何かを通い合わせ始めたと見ればいいのか。

まぁ、終わるってことを自覚するのも大切。
リニューアルなんて考えは無駄で、最初から考えないと意味がない。

2008年10月19日日曜日

経済格差は女性を売春婦に貶めるか

岸田秀(学者)によれば、男は総て性的不能者であり、その裏返しとして女性差別に走る。
岸田秀:公式サイト
http://kishidashu.com/rsdiscuss/yuigenron/topic-10/?recent=45

喫緊の問題として、経済的格差が目に見えるように出てきたこの国において女児はどう扱われていくのかが問題なのである。
経済の格差は教育に出る。

教育は、言ってしまえば、どのくらい高度な情報処理装置を己の中に作り上げるか、それだけのことなのだが、公立の小中高にスキルのある教師が居るとは言えない。
地方に至っては惨憺たる状況である。大分県のように教員が縁故で採用されるのは普通であるからだ。
官僚もしかり、である。ただ、あそこには何らかの不正があるだろう。そうでないと代々官僚だ、なんて連中は出てこない。
世襲の業種に携わっていると人間が腐っていく。

経済格差に戻ると、顕在化したのは給料が上がらなくなったこの10年である。
自分の給料が少しでも上がっていれば、気付かなかったし、目にも付かなかったはずである。
些細なことに敏感なのが、日本人の特性らしい。

既得権益を持つ人間達が、自分の懐が寂しい人間にも見えてきたのである。相対的に。
既得権益を持つ彼ら、彼女らの子供達はどうか。
高度な訓練を受けている。金とはそういうモノだ。
相続税が高いので財産を受け継げない、などということはない。高度な訓練、教育は金があったからこそである。

男女共同の、などという経済が順調ならば多少は進んだであろうことも、この格差が露呈したことでおかしくなってしまい、進まない。
部長・課長は男である。おっさんである。マネジメントはやらなければ身に付かないし、やればそれなりに格好が付くモノである。そのチャンスが女性には与えられない。

世の中で大半の金を稼ぐ場所の現状が、こうなのである。

既得権益を持つおっさんが、敢えて女性の管理職を導入したりしないのである。
会社員という職業がこの国では成り立っているらしいのであるが、そこに女性は居ない。

では、商品としての女性はどうか。

あり得るだろう。
一昔前の企業戦士とそれを支える営業スタッフとしての女性。結婚は男から見れば会社で半径3mだった。兵士に慰安婦である。
その構造も変える暇もなく不況で女性を差別していく。
男が作ってきた既得権益である。女性に渡しはしない。男として振る舞える女性には与えることもあるが。

そうして、必要な教育の機会を奪われた子供が多数発生していく。
不況、経済破綻とはそういうことなのだ。日本の室町時代がそうである。江戸幕府の最後も経済破綻が大きい。
負の連鎖が始まったときに、男尊女卑の社会が取り得る行動は再度の女性の2分化である。
教育機会の無かった女性をその身体を商品としていく所に追い込む、もう一方は、専業主婦という名の専属娼婦である。今でも行われているからどうでも好いのかも知れない。

人が人として生きるにはあまりに難しい世の中かも知れない。

2008年9月18日木曜日

ひょっとしたら、サラリーマンにプロマネは無理かも知れない

リーマンが倒れるというニュースを聞いて、「え?なんでサラリーマンが倒れるの?」と聞こえた、日本のサラリーマン5千万人に捧げる(嘘)


システム開発プロジェクトを立ち上げるのは、リスクが高い。
ところが、リスクを回避するのがサラリーマンの仕事である。
Sierではなく、ここ2年事業会社で働いてみてつくづく思うのが、サラリーマンのリスクヘッジである。

Sierでも同じなのだが、サラリーマン的思考に「どうしたら失敗しないか」というのがある。
最初から失敗を考えているのだな、この人たち。
どうして、「これこれこうやったら成功するなぁ」と考えないのか。

成果主義もそれなりに影響しているかも知れないが、概ね日本の会社は減点主義であるようだ。
私が居たコンサルファームでも、トップセールスをやった翌年はステイにされ、モチベーションを失くした翌年はダウンである。
要は、そこそこやった方が力一杯やるより好いのだ。
しかし、評価する側の役員が私より成績が悪いのはなぁ、割り切れん。

話が逸れた。

プロマネという言葉になると、二つの意味が出てくる。
・プロジェクトマネジャ   ;プロジェクトにおける遂行責任者
・プロフェッショナルマネジャ;あるセクションにおけるマネジメント遂行

どちらも成功することがお約束である。
また、期間も決まっていて「成功」の要件も決まっている。
それに一人では「成功」を達成できないことも同じである。
難しいのは、進むと決められていることを納得してやっていることである。
本人が納得してやっている。

実はサラリーマンは、進まなくてもいい人たちでもある。
そこにずっといて報酬をもらえればいいのだ。
悪く言えば、面倒なこと、難しいことはやりたくないのだ。
今年は、県庁の役人さんを複数見たが、1ヶ月でできることに6ヶ月は費やしていたな。
評価される「業績の上げ方」に精通しているサラリーマンは偉いのかも知れない。

結果的に汗をかかない方が生き残るのだろうか。
そんなものかも知れない。

2008年9月13日土曜日

プロジェクトは、入り口ではなく、出口から考える

おいらの発想は、常に物事は終わる、から始まっている

終わり良ければ全て良し、なんである
プロジェクトは何事も無く進んで、すんなりと終わる、これが理想である
火が噴くのは、そうなるべくしてなるのであって、原因は必ず明快である

だからこそ、考え抜くのである
始まる前に

最悪のケースをこれでもかと並べ立てて、検討しなければいけないものを選択し、とことん考え抜く
不測の事態で起こりうる最大のものは、人の死と事故である
ただ、これはお客さんも理解してくれるので大きなものではなく、納期などの調整で済む

本当に大きい失敗は、メンバのモチベートだ
ファシリテーションに失敗する、会議体の設計に失敗する、これだけは取り返しが効かない場合が多い
だからこそ、スタートは慎重に行う
ゆっくりゆっくり立上げ、廻り始めたら一気に(その時点で考えられる)最高速まで持っていく
このチームの限界をそこで見極める
パフォーマンスを見定める

ボトルネックとなる人がいたら、オミットする
自分を含めて、「切る」のだ
身内から「切る」のが鉄則でもある
自分がふさわしくなければ、辞退すればいいのだ
始まったばかりならば、交代は可能だ
能力も無いのに居るのは失礼だ

最終の姿が最初に浮かばないようだと止めたほうがいい
プロジェクト屋の勘はそんなものだ

ただ、結婚には出口が無いようだが…(^^;;;

2008年9月6日土曜日

除名しろ!福田康夫

自民党が組織であるならば、何故、敵前逃亡した指揮官に罰を与えないのだ?
そういった「けじめ」を付けてこそ、組織は前に進める。

けじめも付けず、自民党というのは何をしようというのか。
この間、意見の違いで何人もの議員を除名したではないか。

茶番劇の前にきっちりけじめを付けろ。

私のようにプロマネをやっていると、火消しの現場に遭遇するが、その指揮官は解任されるのが常だ。
リーダなども逃亡することが結構ある。メンバの夜逃げなど良く起こるし、出社できなくなることも多い。
そういった人間は浮かび上がることなく消えていくのがプロジェクトの世界だ。
外部評価による、信賞必罰である。

私がお手本にしている「孫子の兵法」にも兵士が逃げないための手立ては書いてある。

しかし、将軍が逃げるなどということは想定していない。

将軍が逃げるということは、その国が滅ぶということだ。
徳川幕府最後の将軍も逃げた。
その国は滅んだのである。

P.S
当たり前だが、除名に当たって本人の弁明など聴く必要など無い

2008年8月27日水曜日

そもそも主役は誰なのさ

派手にやれば好いってもんじゃない。
北京五輪の閉会式は、感動が無かった。

そもそも主役は誰なの?
参加したプレーヤが閉会式にそんなに残っていない時点で、五輪は変質してしまっている。
世界は成熟に向かっているというのに、あれは何?
生物も進化が行き過ぎると滅ぶ。

システムも同じなのである。
要件定義をやりすぎて過剰なメニュを作成してしまうとか、バージョンアップを繰り返しているうちに使い勝手が悪くなってしまったワープロとか。

そもそも主役は誰なの?

2008年8月13日水曜日

システム開発にショートカットはない

公開日時:
2008/08/13 07:40

先月、去年の秋から今年の春にかけて開発していたシステムの元リーダ二人と呑む機会があった。
私が2月末に離れ、彼らは4月末に離れており、プロジェクトは迷走しているらしい。

会話の中で出てきた言葉は、
「やっぱり地道に積み上げるしかないですよ」
「そうそう、モデリング・実装・テスト・結合、これだよ」
「それと楽しむことですか」

開発環境はどんどん楽になっているような気がするが、ブラックボックスも増えている。
今一度、開発の原点に戻ってみよう。
(一足早く夏休み、十勝は帯広から)

顔の見えない「taspo(タスポ)」システム

公開日時:
2008/08/01 18:06

我がチーム(草ラグビー)の女子マネは、吸いもしないのにタスポを手に入れたそうだ。誰かが飲み会の途中などで、タバコを買えなかったら可愛そうだからだ。偉い!

それにタスポではなく、免許証でも買える自販機あるが、何故かそちらは推進されなかった。改めて発行するより既存の資産を利用した方が社会には優しいが、役人はそんなことは考えない。

そんなわき道はどうでもいいが、現在タスポというカードが引き起こしているビジネスモデルの変化について、少し話をしておくべきかも知れない。 3年前から用意されてきたというこのシステムの導入のいかがわしさ、利権などは分からないので置いておく。

物流が変わる

簡単に言うと、零細小売拠点の淘汰によって効率化が進む。それもコンビニの物流網に載っていくとすると、たばこメーカから見ると、物流費の抑制は明らかである。人・車が抑制され、管理要素が減ることはシステム運用でも楽になることは確かだ。その先に雇用も減る。人件費の抑制である。

生産計画が変わる

販売拠点が主に駅売店(POS導入済み)、コンビニ(POS導入済み)、タスポ対応自販機となれば、かなり正確な実消化データの入手が可能になる。適正在庫計画が可能となる。賞味期限管理も正確になっていくことであろう。

禁煙の進行

500から1000円までの値上げで充分な利益が出るだろう。ただ、それが税収となったときには分からないが。 後は、細かな入出金という金流が減ることも上げられるが、さほどインパクトは無いかも知れない。

どこのベンダが開発したか分からないが、それだけ社会に影響を与えるシステムである。

iPhone発売に隠れた.mac停止

公開日時:
2008/07/11 19:47

それにしても、朝から止まったままである。

早急に送らなければならない連絡をどうしてくれるのだ?

まぁ、GMAILで急場を凌いだが、これは計画的な停止なのだろうか。

丸1日復旧しないとはいかがなものか。

工事進行基準とシステム開発への弊害

ソフトハウスは来年度から工事進行基準を導入しなければならない。

工事進行基準のもたらすもの

現在の開発は、イテレーションなりプロトタイピング(古いが)、XPとオブジェクト指向からの発想がそれなりに浸透してきている。
要は、 APサーバー上で、アプリケーション設計→実装が繰り返されていく開発手法であり、部分独立で疎結合モデルができていくやり方である。

ところが、工事進行基準はウォータフォール型と親和性が高い。
要件定義、外部設計、内部設計、結合テスト、総合テストなどの大工程毎に売上、原価を積むようになると予想される。
ウォータフォール型の問題は、工程を超えて戻った場合、どうするべきか、である。
(これが仕様変更といわれるもの)

イテレーション型であれば、許容された変化を包含しながら開発することが可能であり、現在のビジネスシーンに合致していると看做せる。
また、大きいのは部分リリース可能であることだ。
ウォータフォール型では、全てが出来上がったときに検収、売上計上になる。
当たり前だが、売上とはサービス・役務が提供されたときに計上できるものであるから、ウォータフォール型のリスクの高さが際立つ。ただ、大手SI企業はPMOを始め、厳密なプロジェクト管理に数年前から移行しており、対処は可能となっているが、中小のSI企業はどうだろうか。

コンピュータシステムは目に見える建築物、構築物とは違うというのに、このような会計基準を採用されてしまうと、現場の進捗を図る物指しが一時代前に戻ってしまう。

そもそもFP法ですら浸透していないシステム見積もりで工事進行基準は無理がある。

MSの功績はバグ有りでも製品としたことだ-ゲイツ氏の引退に寄せて

一つの時代が終わるのであろうか。
マイクロソフトの退場が近付いているかのような印象も受ける、ゲイツ氏の引退である。予定され、誰でも知っていたことでもあるのに。

MSの功績

言うまでもないが、汎用機の世界では許されないようなバグを持っていながら、それが製品として売られていったことだ。
さすがに最初は腹を立てたが、95年末のwin95で見方を変えた。
このような汎用的な製品では、コンシューマ向け製品では早く出してバージョンアップして行けばいいのだ。バグフィックスとも言われるが。

「完璧」の呪縛から解き放たれる

汎用機の持っていた、プロ向けに完璧を期した製品という概念が破壊され、製品の在りようを変えてくれたのである。
今がβ版全盛であるように。

ワード、パワーポイント、アクセス

エクセルは完成度の高い製品であったが、日本語ワープロとしてみたワードはどうだったか。誰もが駄目だと思ったはずだ。
その後は、日本語変換ソフトの買収などを通して、一太郎を追い抜いた。

個人用データベースとしてのアクセスはどうだったか。
個人用のデータベースソフトは、MS-DOS時代のCARD3+程度しかなく、MACのファイルメーカはWINでは動かなかった覚えがある。ここでは空白を埋めた。

プレゼンテーションという概念は、95年では日本に根付いていなかった。
アドビかアシュトンテイトがプレゼンテーションソフトをMAC向けに出していたが、とにかく高かった。
パワーポイントはここでもマーケットを創造した。

ともあれ、ソフトウェア製品の概念をひっくり返してくれたことに感謝しようではないか。

2008年6月15日日曜日

マスゴミの情報操作 編集済み

TV・新聞が秋葉原の事件で、またしてもインターネットは怖い、を流布しようとしている。
(被害者とその御家族には謹んでお悔やみ申し上げます)

ツールの提供者の声は聞こえないか

私には、webにも関わっている技術者として、意見を言う義務があると思う。
TV・新聞の「保身力」をそのままにしてはいけないと考えるからだ。
しかし、秋葉原の犯人はインターネットのツールとしての強さを見せつけた。
速報性、映像の有無、音声、TV局の現場取材記者のレベルとその場の素人が変わらないことが分かってしまった。

悪意は昔から存在していた

昔は犯行声明を新聞社かTV局に送りつけて来るのが一般的だったが、もっと楽にできる掲示
板に変わっただけの話じゃないか。まともに取り上げられることもなく、送るのも面倒くさい。
そこに楽なツールができただけだ。
それを、いかにもインターネットを怖い場所のようなイメージに置換えようとしているTV・新聞が居る。
殺人件数すら低下しているのに、それは報道せず、凶悪事件が増えているかのような報道をする。それも一方的にできて、批判も受けないTV・新聞が、だ。

ツールで人が変わることはない

TV・新聞はインターネットを「無料で便利なツール」から、「ホントは何をされるか分からない場所」への再定義で忙しく、きちんとした調査もしていないし、したくもないのだろう。
これ以上、広告収入を減らしたくないからだ。

そもそもTV・新聞は政府の御用聞きだから、そんな調査能力はないけどね。
今後は、インターネット規制とナイフ所持の規制、どうしても国という訳の分からない腐敗した連中に求めて行ったりして。

TV・新聞は国民という名の人々に、リスクを負わなくて好いから自由と金を差し出せ、そんなことを調教していくつもりなんだろうな。

それにしても、岩手大地震の掲示板はインターネットではないのか。
ツールは使う人によって生きるし、良くないことにもなる。
バランス感覚すらないマスゴミはいらない。

マスゴミの情報操作

秋葉原の事件で、またしてもインターネットは怖い、を流布しようとしている
(被害者とその後家族には謹んでお悔やみ申し上げます)

昔は犯行声明を新聞社に送りつけて来るのが一般的だったが、もっと楽にできる掲示
板に変わっただけの話じゃないか
それを、いかにもインターネットを怖い場所のようなイメージに置換えようとしてい


「無料で便利なツール」から、「ホントは何をされるか分からない場所」への再定義
で忙しく、きちんとした調査もしていない
政府の御用聞きだから、そもそもそんな能力はないけどね

今後は、インターネット規制とナイフ所持の規制、どうしても国という訳の分からな
い腐敗した連中に求めて行ったりして

リスクを負わなくて好いから自由と金を差し出せ、そんな教育効果が見られて一興

2008年6月7日土曜日

iPhoneにいらないもの→キャリアのロゴ

MACユーザとしては日本で発売されるだけで嬉しい。
それも私の使っているキャリアである。
発売時期も嬉しいことに、私のホワイトプランの更新時期、来年1月よりちょっと前である。

ただ、Appleのロゴ以外はいらない。

2008年3月23日日曜日

SEはパシリ

怒らないで聞いて頂きたい。

題名の「SEはパシリ」は、就職を控えた大学生である息子の仲間のIT業界スキルへの評価である。

本当に絶句してしまった。
人の集まらない産業は衰退する。
前に、3K業界だと書いたが、若い人からも見捨てられているのか。

ちなみに、東京では「バーテンダー見習い」の募集広告5cm四方で確実に100人以上の応募があるそうである。
IT業界で、同じ広告スペースでどれだけ集まるか。

SEは希少種として、天然記念物的に生き残るのだろうか。

2008年3月15日土曜日

プロマネとハインリッヒの法則

プロマネのプロジェクト立上作業の中にリスク管理がある。
立上時にプロジェクト遂行時のリスク、懸念事項を挙げて対応方法を確認していく作業である。

このようなリスク管理は経験がものをいう。
それに前回の、その前のプロジェクトで起きたことを加味していけば、ほぼほぼ出来上がるものである。心配もしていない。

リスク管理は所詮、「管理」できるもの

プロマネの本当の技術は、リスク管理シートには現れない。
想定できるものなど対応できて当たり前だからだ。
従って、リスク管理は「管理できないイベントに対応するために、管理できるリスクに対して事前対応をすること」でしかない。

例えば、ある上場企業のシステム部門と粛々と次期基幹システムの再構築で議論を進め、採用する方法論、パッケージ、概要アーキテクチャを詰めていたが、ある日、経営統合が発表された。青天の霹靂、である。
このようなことは事前に洗い出せるものではない。
残念ながら、匂いですら漂ってこなかった。
やったことは、白紙に戻す会議を1時間、そして皆で呑みに行っただけ。

ただ、実際のプロジェクトでは察知できる「きっかけ」・「匂い」がある。
それが重大な障害につながるのである。

ハインリッヒの法則

回転ドアの事故で有名になった法則である。

ハインリッヒの法則(1:29:300)
 これはアメリカの技師ハインリッヒが発表した法則で、労働災害の事例の統計を分析した結果、導き出されたもの
数字の意味は、
  重大災害を1 とすると、
  軽傷の事故が29、
  無傷災害は300 になるというもので、

これをもとに「1件の重大災害(死亡・重傷)が発生する背景に、29件の軽傷事故と300件のヒヤリ・ハットがある。」という警告として、よく安全活動の中で出てくる言葉

これに類することは、プロジェクトの中で起こり得る。
何か、こう、深い記憶の底を刺激するような小さな出来事である。
これを見逃さないのが、「プロ」のプロマネだろう。

2008年3月8日土曜日

3K職場?

先週は、日本を代表するようなSI企業の課長代理と呑む機会があった。

彼の残業は月平均で200時間超。
平日は終電で帰れればよい方で、タクシーチケットが多い。
3時を過ぎるとオフィスで仮眠してしまう。
プロジェクトを5つ廻しており、さもありなん、ではある。

彼は潰れているわけではないが、職場の状況は悲惨らしい。
10人に一人はうつ病。15人に一人はドクターストップで残業禁止。
100人に一人は出社拒否。

さて、私にできることはあるのだろうか。

2008年2月23日土曜日

今年はチャレンジしましたか

公開日時: 2007/12/27 11:30
著者: 草木生(そうもくしょう)

ようやくDOA(データ中心アプローチ)を捨てられたんだと思う。
捨てようと思ってから4年。

考え方そのものも変えなくてはならなかったが、ようやく頭の中もオブジェクト指向に
なってきたような気がする。
そして、DOAの本当の良さも分かったと思う。

捨てることが得ることだと誰かが言っていた。
本当にそう思う。

来年は大きなオブジェクト指向開発をサポートする。
嬉しい年になるだろう。

開発者の逼迫−主にJAVA

公開日時: 2007/04/22 10:14
著者: 草木生(そうもくしょう)

ここのところ、1月半ばから4月初めまで例によってプロジェクト異動、未経験業界の学習で更新をする暇はなかった。

一応昨年末で、今年から始まる2年、数十億の開発の前始末は目処がついたので、今年の案件を探していた。
当初は、大規模DWHなどに行くような予定もあったが、結局新事業立上げのサポートで落ち着いた。長ければ2年ほどのお付き合いになるだろう。

それにしても、まだまだ知らない業界がある。
ブルー・オーシャンはどこだろうか。

開発者不足

昨年夏くらいから、今年の人手を調達するべく裏で動いていたが、本当にいない。
web2.0なんて望んではいないが、せめてJAVAのコーダが沢山欲しい。
モデリングをできる人もだ。
プロジェクトの中で育てられれば好いが、そんなに上手くはいかない。

人が少ないのは、相変わらず生産性が低いのか。
そうではなくて、集中だ。
同じ業界の人に聞いても答えは同じ、「できる人は手放さない。」
そりゃそうだ。
今は、コーダなりプロマネの指名が通るようになってきている。

今年も苦しい開発がそこら中で続くだろう。
オフショア、SOA、SaaS、発展の年になるが、日本人技術者は従来型の開発で疲れていくだけかも知れない。

全てのプロジェクトはユニークである

公開日時: 2006/08/21 11:25
著者: 草木生(そうもくしょう)

体裁を気にしている、と書いたら、携帯では見られたもんじゃないです、とのコメントが付いて少し驚いた。
webはPCだけで見るものではないのだと、あらためて気付いた次第である。
だからといって、携帯のための体裁を考慮しようとは考えないが。

相手、もしくは自分の端末に合わせた体裁を動的に整えてくれるブラウザなり、アプリサーバは誰かが考えているのだろう。ニーズでも良い、シーズでも良いので作ってくれることを願っているだけである。欲しければ自分で作れば好い。

話を戻して、当たり前だが、プロジェクトはユニークであるからこそ知恵が問われる。
IT業界にエンジニアリングがあるとすれば、その知恵がメソドロジであろう。
その知恵たる所以が、開発成果物を入れるリポジトリとの連動である。
進捗では、リポジトリ上のオブジェクトが埋められていくのが理想であるが、そうならないのが現実であり、終了しても埋められていないことが往々にしてある。

ただ、今後は検索技術のように、あるものを検索して関連を後付けできるようになることが予想され、リポジトリは再考を迫られると思われる。
設計、コーディングした開発成果物を格納していくのがリポジトリであり、メソドロジ毎に付属しているメタモデルである。
これがエンジニアリングとしての到達点だと考えてきたが、前述のように再考を迫られている。

業務システムの開発成果物、運用(改修)対象が画面、帳票、DB、コード、関数などであれば必ず管理される必要がある。
現在の開発では、プロジェクト進捗を管理するソフトウェアは利活用されておらず、基本はリリース管理と称して商用環境とほぼ同等の総合テスト環境を保持し、そこをもって構成管理としていれば上等であろう。

MSプロジェクトのスケジュール表に、イナズマ線を入れることが進捗管理だと思われては困る。成果物のバージョン管理をしてこそ進捗管理である。

ただ前述のように後付けでの管理も、既に現状のリソース(ソースコード、テーブルスキーマ)を入れて、関係性を取るツールからできないことではない。

システムを作るということ

公開日時: 2008/02/03 14:27
著者: 草木生(そうもくしょう)

社会保障カードなるものが出てきた。

制度疲労から、いや、制度そのものがまともに設計されておらず、屋上屋を重ねる結果となっている年金制度の解決策がこれだそうだ。
システムには仕組みという意味もあるが、壊れた仕組み・制度をコンピュータ上に組み直せるはずもない。

カードは紛失するし、盗難に遭う、毀損する。
頻繁に利用する方達はデジタルにやや乗り遅れた人たちである。
ハンディキャップも相当数いると考えられる。
ステークホルダと利用シーン、配布などの送付手段(そもそも配布するものなのか?)が十分に考察されているとは思えない。

原点に戻れば、個人の特定をどうするかという課題が出てくる。
社会保障番号なり、IDは必要だが配布する必要性はない。
もう少しスマートな生体認証ができれば、バックオフィスの問題となる。

システムへのエントリーが課題だ。

しかし、今回の年金問題は公務員共済には生じていない。
当事者意識のない公務員に年金問題を解決しようという意思も、熱意もないのが今回の年金問題の原因である。
彼らの仕事の評価指標に、国民へのサービス拡充、というモノは無さそうである。

どんなに民間が知恵を絞っても、公務員として評価されない仕事はしない。
虚しいのはそのせいである。

システム屋のプロスキル

公開日時: 2007/10/03 14:06
著者: 草木生(そうもくしょう)

残念ながら今回も編集部からの督促で書いている。
前回はいつ書いたか忘れるほど前である。

相変わらず、システムの作りに関して書かせてもらう。

業務システム開発は、乱暴に言えば、デコンポジション(分解→分析)とコンポジション(再組立・実装)からなるが、私が担当しているのは、デコンポジションである。
スキルパスでは、良く、コンポジション→デコンポジションとされるようだが、私の場合は当てはまらなかった。全く実装でのスキルが身に付かず、分析への転進で生き長らえてきたからだ。

このコンポジション→デコンポジションという考え方は、
(株)永和システムマネジメント 平鍋 健児氏が簡単に説明してくれている。

分析モデル→<設計>→設計モデル
↑        ↓
<分析>      <実装>
↑        ↓
問題→<テスト>← 解

左下の問題からスタートして時計回りに進むのである。
そして、左を上流といったり、デザイン工程としたりするのである。
右が実装であり、下流とも称される。
SE、システムエンジニアはどちらを担当しているかというと、会社によって違うらしい(笑)。

双方を経験して思うところに、両者共通のスキルとしての「抽象化の扱い」がある。
分析は、現実の業務を抽象化することであり、その抽象化概念を実装するためにはコーディングという、抽象化の極地の技法を使う。

今の私の専門である左側の分析におけるスキルとして、ヒアリング能力を追加しなければならない。
ユーザ・業務のプロと会話して抽象化していくには、適切な質問を行い、回答を理解して確認できるというヒアリング能力が必要なのである。
もしくは、翻訳力か。

システム=問題とすれば、実装は解に至るプロセスを記述するところにある。
これは、異なる事象から類似の原因を類推して、ユーザとともに確認作業を行うことに他ならない。

非常に抽象的な書き方になったが、メタモデルを扱っているとこうなるらしい。
機会があれば、ヒアリング能力の身に付け方を書いてみたいと思う。

さすが、放置国家ニッポン!

公開日時: 2007/06/16 16:20
著者: 草木生(そうもくしょう)

社会保険庁の年金システムは、見事としか言いようのないシステムである。
名寄せの仕組みがない個人台帳管理システムというのは凄い。

90年代後半、社会保険庁のシステムはNTTの独自仕様マシン(DIPS)から国産の汎用機に乗り換えを行っており、この時の開発というか、移行ベンダがH製作所、F通、N電気であり、数百億円の開発費が投入されたと聞く。
ユーザインタフェース、機能もそのまま、ただマシンと言語を入れ替えただけと聞いた。

従って名寄せの仕組みを組み込んでいないとしたら、ベンダの責任でもあるはず。
また金を払おうというこの太っ腹。
のべ1万人以上も参画したプロジェクトなんだから、誰かが報告して欲しいよね。
この業界はホイッスルブロワーが少なすぎるかも知れない。

ちなみに、業務オペレーションが崩壊している現場にコンピュータシステムは何の解決ももたらさない。今回の対処療法を短期的に見たとしても意味のないアクションだろう。
そもそも、ヒモ付いていない個人データをどうするの?
きっちり状況を説明してもらいたい。

システム屋はサービス業

公開日時: 2007/05/16 02:18
著者: 草木生(そうもくしょう)

システム開発をやっていると、仕事をする場所が1年ごとに違うのは当たり前だと思う。
顧客も変わる。
当然だが、チームメンバも変わる。
私もそうなってから20年近く続いていて、年俸制だったり、契約だったりするので残
業代はない。

カットオーバの日がお別れの日であったり、もっと前にお別れすることもある。
仕事ができなかったり、チームと肌が合わなければ首になるし、首にもする。
それが日常の光景である。

ユーザから考えてみれば、必要なときに必要なだけ利用するのがサービスであろう。
人であれ、マシンであれ、そうなのだ。
開発ベンダがその人を雇うのは、継続的にプロジェクトを取れるからかも知れない。
コンサルファームでもプロジェクト評価で辞める辞めないを決める。

教育も手取り足取りは無い。
学ぶのは本人であるから、好きなアプローチをプロジェクトの中で取れば良い。
プロマネやリーダだとメンバのロールを決めることで、学習のきっかけを与えること
がある。

消耗品になるかどうかは、本人の問題でしかない。

もちろん、開発屋ではなく運用系だと3年なり5年のスパンがあったりもするようであ
る。
しかし、開発屋は2年も同じところにいれば充分なのであろう。
それが普通の話である。

Windows Vistaには辿り着けず

公開日時: 2007/02/09 15:05
著者: 草木生(そうもくしょう)

企業システムのXPからの変更だが、これはまだまだできない。
いつもと同じで1年以上は様子を見ないと、無理だ。

それに、企業の情報化投資はクライアントPCには向かっていない。
税金の関係で、「持たない」がコンセプトになってきてる時代に、あれほどリッチなクライアントPCには経費をかけられない。
ペンと紙と電卓にそんなに金はかけられないのだ。
(ホワイトカラーの生産性の問題が隠れている)

このところの税制がリース資産も対象にしたため、レンタルが一般的になってきているし、それなりにクライアントにユーザアプリケーションが乗っている状況がある。
それを解消するには、企業情報システムはシンクライアントに向かい、ASPでの業務システムが増えてくるであろう。
Windows Vistaへの変更など、まともなベンダーなら提案しないであろうし。

ソフトウェアもご存知の通り、無形固定資産、税金の塊である。
何故税金をこれほど気にするかというと、キャッシュで払わなくてはならないからだ。
どこまでも追い駆けてくる税金との闘いが、企業には課せられているのだ。
キャッシュフローが有っての会社であり、節税を考えながら情報システムも作ってきた。

お役所が、例えば社会保険庁が何百億もかけてシステムを作っても、税金が来ないのとは違う。費用対効果とはそこまでシビアなんだよ。

まぁ、Windows Vistaに変えるくらいなら、この際だから、クライアントOSは「超漢字」にすべきではないかな、日本としては。

(皮肉にしておこう)

こちらは私も参加しているオープンメソドロジ

http://www.openthology.org/

リポジトリ

公開日時: 2007/01/30 17:57
著者: 草木生(そうもくしょう)

MSが発売した久し振りのOSに付帯して、「家庭用中央リポジトリ」なる言葉が出てきた。
この意味がすんなりと理解できるものであろうか。

メソドロジとリポジトリは不可分

我々というか、メソドロジを扱うものにとってリポジトリは必須である。
メソドロジは最低でも開発の手順と成果物を扱う。
最近では、構成管理が代表的な呼び名であろう。
リポジトリは、システム開発の成果物を格納するシステム辞書・倉庫である。
従って、開発されたシステムは分解されて、いや、カテゴライズされ関係性を持ってリポジトリという倉庫に格納される。

格納のされ方は、例えば「販売管理」で検索をかければ、関係を持つテーブル・カラム・画面・プログラムまで引っ張り出せるのが理想である。
メソドロジを支えている土台のようなものであり、その構造を分からない限り、組換えは止めた方が良い。

そのプロジェクトのやり方もあるが、上記のようにテーブル・カラム・画面・プログラムまで入力されているのは稀である。
少なくとも、テーブル・カラムくらいは管理しているはずではある。
設計ドキュメントでも全文検索ができるが、運用に対して有効には成り得ないのが、「関係性を持って」の部分である。
インパクト分析ができないリポジトリでは意味が無い。

つまり、管理可能な部分まで開発ドキュメントを分解し、入力、管理する。
メソドロジはそれを司る。
要は、無意味な開発成果物を排除していることである。

リポジトリの語源

元々は、89年か90年くらいにIBM社が発表した「AD/Cycle」の中で提唱され、それまでのデータディクショナリなどの用語を拡張したものである。
その後は、ERPパッケージ、ETLツールなどにも必須の機能として付加されている。

今回の「家庭用中央リポジトリ」は、我々システム屋の「リポジトリ」とはまた違ったものである。
多分、「家庭用中央リポジトリ」には、コンテンツが動的に構築・蓄積されるところが違う点になるであろう。

本当に来るのか、2007年問題

公開日時: 2007/01/04 11:25
著者: 草木生(そうもくしょう)

今年から入る基幹系システムの大規模再構築の地ならしが終わりつつある。
各プロジェクトマネジャに、コンセプト・標準化シナリオを引き渡していくのは、今月も半ば以降となる。
当然、リソース調達もベンダ各社に内示しているが、2007年問題など聞かない。

繰り返される引継ぎ問題の一種でしかない

筆者がこの業界に入ってから、色々なシステムで同じ話を聞いてきた。
設計ドキュメントが無い、あの人がいなくなったらこのシステムは止まってしまう、当時の人がいないので分かりません、等々聞いてきた。
しかし、それでも大問題が起きたという話は聞かない。
なんとかなっている。

今はちょっとしたツールで、構成管理をできるし、インパクト分析もそこそこできる。
何を以て2007年問題といったのか分からない。
プロジェクトマネジメントの話であるならば、今も昔もそれほど変わっていない。
むしろ現在の方がスマートに、チームワークで処している。

現場にも居ない年寄りの戯言を記事にしている方が問題なのだ。
現場は進化しているし、プロマネも沢山育っている。

むしろ、筆者の考える2007年問題は、この業界の構造改革が進むかどうかだ。
各社本当の売上を計上せよ、、、これが実践されるか否かだろう。

プロセス・コンサルとコンテンツ・コンサルの違い

公開日時: 2006/12/25 11:25
著者: 草木生(そうもくしょう)

年末でもあり、某研究会の忘年会も先週あった。

その話の中で、いわゆる要求開発(≒要求分析)にはストーリー、シナリオを提供しなくてはならないかも知れないと提案した。
先週書いた、
メソドロジは、
2:6:2の内、6割の人間の底上げを可能にする
にかかるのであるが、単純にフェーズの定義・説明、そこに関わるスキル定義・説明、成果物定義・説明、では機能せず、シナリオレベルのノウハウを注意書きでも良いから提供した方が利用者の拡大、ひいてはプロジェクトの失敗が減るように思うからである。

プロセス・コンサルとコンテンツ・コンサルの違い

やはり、プロトコルとして用語の相互理解が必要だろうと思われる。
開発現場のSE、システムエンジニア諸氏には嫌われるコンサルだが、少なくとも複数種類存在していることを知ってもらいたい。

プロセス・コンサル
・開発プロセス、課題解決のプロセスを支援する
現状分析、To-Beモデルのモデリング、体制なども含めてサポートするコンサルタント であり、プロマネの基本ノウハウ+課題アプローチ・モデリングノウハウを持つ
いわゆる、RFP作成から基本設計、外部設計くらいを担当するが、プロマネになった 場合はカットオーバーまで責任を持つこともある

コンテンツ・コンサル
・事業部の企画であるとか、企業の基幹システムの課題などを調査・報告する
その企業の現状と競合他社状況を分析、報告を出していく
報告書としては、分厚いものであり、発注するユーザ側にも1キロ一千万円くらいの
感覚があるらしい
現状ではインターネットの発達で苦しくなっている
独自の調査報告は、インターネットで70%程度は揃えられるようになってきており、
どこに独自色を出すかが難しくなっている

日米でのコンサルティングの違い

アメリカでは、コンサルティングがかなり軽いように思われる。
そのツールにある程度精通していると、あっという間にコンサルタントである。
それを日本に持ち込んでいるのが、外資系のソフトウェアベンダであろう。
日本では、ひょっとしたら何でもできるのがコンサルタントであり、まさに超人を期待されて始まるコンサルテーションもある。

ITコンサルの定義付けは、まだ一般的な理解を得ていない。
筆者は、10年程度はシステムコンサルとしてやっていたと思われるが、それにも一般的な理解はない。
瑣末な職種なので、一般的な理解を今後も得ることは無いだろう。

IT業界の人材レベルは低い?

公開日時: 2006/12/21 20:13
著者: 草木生(そうもくしょう)

コンサルタントを始めたときに師匠に言われたのは、この業界のレベルの低下である。
80年代初めまではオール4くらいの人材が入ってきたが、そこから後はせいぜいオール3くらいの人材だと言われたのである。
80年代も半ばになると、この業界に入るのは親が止めていたくらいだから、頷けるものがある。
その頃と今の状況は似ている。
3K職場である。
相変わらずの徹夜で仕事をやっつけている。

就職氷河期といわれた頃、90年代半ば以降はそれなりに優秀な人が入ってきたと思うが、最近の売り手市場ではまた見向きもされない業界となるかも知れない。
それに、人口の半分は女性だと思うがこの業界にはほとんどいない。

また、色々な大企業のシステム再構築にも携わってきたが、そこのシステム部門の人にも言われた事がある。
「この会社に入りたくて入ったが、システム部門には来たくなかった」である。

筆者が延々とメソドロジの話をするのは、頭が悪ければリファレンスモデルをもっと有効に使えということだ。
それにしてもこの業界には、頭が悪いという自覚が足りない。
自覚していれば、それなりに勉強もするだろうが、それすらしていない。
幸い?筆者は師匠から頭が悪いと言われたおかげで、ずっと学習中である。
5分間考えて分からなければ、分かっている人に聞くことができる。
理解するために本を選び、読むことをしている。

少し話は変わるが、パレートの法則というのがある。
「2割の人材が残り8割の人材を食わせている」という経験則である。
すなわち、利益の8割は2割の社員からもたらされるという。残りの社員のうち、6割は自分の給与分を稼ぐのが精一杯。最後の2割は自分の給料を稼ぐどころか利益の足をひっぱっているという。

メソドロジは、2:6:2の内、6割の人間の底上げを可能にする。
トップの2割にはそれほど必要ではないのだ。