2009年11月25日水曜日

大企業は社内調整が忙しくて、顧客に構っている暇はない

大企業は社内調整が忙しくて、顧客に構っている暇はない

公開日時:2009/11/25 12:22
著者:草木生(そうもくしょう)

大企業の社員ともなると、暇が無くて大変なのである。
社内調整がとてつもなく忙しくて、顧客なんかに会っている時間はないのである。
もちろん、新しい事業などと関わっている暇はない。
「稼ぐ」などとは無縁である。そんな下賤なことは販社、代理店でやればよい。

仕事とは手続き・調整であり、決定権ですらどこにあるか分からない中で、その都度その都度手順を踏んでいかなければならない。
様々なテンプレートから書式を選ぶところから仕事は始まる。


発注者になる@システム部門は窓際である

これはもう、大変である。一言では説明しきれない。
SIベンダへの発注を例にとってみよう。
窓際であるシステム部門の課長、部長にとっての予算執行は一大行事である。
どう見ても一人で2週間で出来る仕事を、数人で何ヶ月、の仕事に引き延ばす。

システム開発なり、大規模改修における発注担当者の動きは1000万を超えようものなら、手続き・調整の期間は3ヶ月以上にもなる。1億を超えると半年以上に及ぶ。
ほぼ3回以上の公式値引きの交渉があり、最終的に部長などの登場により手を打つ。
合い見積もりなど取らない。ベンダは決まっている。値引きは儀式ですらある。

それが、傍で見る限りは面白い・・・んだけどね。

そのシステムが必要であるのは、事業部が決めていることなので、システム部は金額交渉がメインである。新しいアーキテクチャ? なんだそれは? ってなものである。
ベンダの提案は、価格と期間、リスクヘッジだけしか見ていない。アーキテクチャは分からない、知る必要など無い。知っているのはそのベンダの提案の中にある「新アーキテクチャ」、今だと「クラウド」なんて言葉が入っていれば、OKである。
とにかく、予算との整合性を保つために、日々調整に走る。
短い期間ではいけない。
最初に、社内調整期間としての適正な時間を計るのが、能力の見せ所である。
社内コミュニケーションの能力が問われているのである。決して、「良いシステム」を作ることが目的ではない。コンピュータシステムなんぞ、動くのである。動かなければ、ベンダを叩けば良い。なんのための外注か。

仕事の始まりは、必ず、お触れからである。
「いやいや、大変な役をもらいまして・・・」てな連絡を社内で、そう、5カ所以上にはしなければいけない。後は出入りの他ベンダ、数社に声を掛ける。
ベンダ同士は足の引っ張り合いもするが、概ね、この分野はA社、こっちはB社と棲み分けている。ただし、ほころびが出ないかといつも伺っている訳で、この声掛けで1社1回の飲み会は確保される。

なんせ、大変な仕事なんである。会社の金を使うのである。
大企業であるからには、沢山の部署との調整が一番大切であるから、2カ所や3カ所ではいけない。心配することはない。部署は腐るほどあるのが、大企業たる所以である。
書式も部下に取り揃えさせ、既存とは微妙に違う「新しいテンプレート」も作らなくてはならない。なんといっても、大変な仕事なのだ。

ーーーー※ーーーー※
ベンダとしては、耐えるしかない。
3年ほど前からコンプライアンスということで、ベンダの社内でも手続きが前面に出てきているが、どこで先行着手依頼をもらえるか、期間とメンバの調達におけるベンダのストレスは大変なモノである。
理不尽な値引きが2回はやってくる。つまらない飲み会への参加も2回は必要か。
しかし、なんといっても、スキル・期間の確保が問題である。
テストに割ける工数が少なくなる。結合を緩く通して、総合テストで何とかしようとする。軽いデスマーチは当たり前であるが、どのみち開発は下請けである。
下請けを叩くしかない・・・

→ 何だか書いている内にトホホになってきたので、ここら辺で。
  日本は今日も平和なのであります!



このエントリーへのコメント

5 雇用調整金が切れるのが来年3月。
そこまで頑張らずに、年末でたたんだ方が良いソフトハウスというか、人貸し業も多い。
仕事は、技術じゃなくてコネクションで取るのですよ。
でももう、コネクションも終わり。そんな年末でした。
草木生(そうもくしょう) on 2009/12/01

4 sugibeyaです。
そういう事ですね!しかし、一行一行全てがウンウンって唸る記事ですねえ。わたしも甲乙両方の企業で社員・経営者を何回か経験しているので・・・しかし、受託側系企業社長の友人達から日々【もうダメ】って嘆きを聞く辛いご時世です・・・。
sugibeya on 2009/11/30

3 どうもです。
こんな事は社会の常識だ、なんてことでありますが、実は教えてもらってないかも知れない。
だから、技術力があれば起業できるとか、売れるとか思ってしまう人たちがいる。大きな間違いを予防すべきだと思うのですよ。
草木生(そうもくしょう) on 2009/11/30

2 どもsugibeyaです。
草木生さんがなせこんな当たり前の話し(≒人は空気吸って生きてんだよ)をいまさら書くのか・・・
裏が気になります(^^ゞニヤリ
sugibeya on 2009/11/28

1 こんなにブックマークが付いたのは初めてですな。
面白い現象だ。
草木生(そうもくしょう) on 2009/11/27

2009年11月23日月曜日

ラリパッパを称揚し続けた朝日新聞

ラリパッパを称揚し続けた朝日新聞

公開日時:2009/09/24 11:22 → 2009/11/20修正
著者:草木生(そうもくしょう)

※ラリパッパ = 麻薬の影響で普通の判断が出来ない状態

プロマネとして学ぶ領域は広い。
その中でも、リーダシップ、孫子、戦争論、失敗学などは必須なのであるが、どうもその中で失敗学には覚醒剤が絡んでいるらしい。

日経ビジネスオンラインの連載
のりピーのサブプライムな憂鬱(その2) 伊東 乾
亡国のクスリ禁止のもう1つの理由「覚せい剤は洗脳の道具」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090909/204341/?P=7
7ページからが、大日本帝国の当時の陸軍中枢が覚醒剤に犯されていたのではないかとの諮詢がある。あくまでも推察である。

この説には説得力がある。

太平洋戦争で日本の軍部が覚醒剤を多用して、カミカゼなどを行ったことは数々の証言から明らかである。その大量の在庫が戦後、市中に流れ、ヒロポン中毒者(覚醒剤中毒)を多数出したことも事実である。
赤紙で駆り出され、覚醒剤で洗脳されて、戦場に散った若い命が多数いたらしい。

一般兵士に戦意高揚と言うことで処方されたのは分かるが、軍の中枢部門にも蔓延していたとしたら、大変なことである。
本当に、失敗学を学びながら良く引き合いに出される「インパール作戦」などは腑に落ちないことばかりだったのである。私のように普通の中年男でも現状分析とリスクマネジメントを考慮すると、あの判断、実行命令は理解できない。

しかし、その愚かな作戦を支持し、称揚していたマスメディアは朝日新聞であった。
売るためには手段を選ばないとはこんなこと。
プロジェクトの現場でもそうであるが、声の大きな人間に間違った情報を振りまかれるとどうにも対処できなくなる。
悪意であれば分かるが、善意での情報操作も怖い。

また、プロジェクト現場には、鬱病状態をクスリで平常にしている人達もいる。
クスリの話は身近なのである。
疲れたら、休んでいただきたい。心が折れるまでやってもらっても困るのだ。

※2009/11/20 やや修正

2009年11月20日金曜日

学習能力のないマスゴミ

学習能力のないマスゴミ

公開日時:2009/11/20 11:28
著者:草木生(そうもくしょう)

うんざりである。

なぜ、被害者の名前を連呼して顔写真を出しまくるのか。
被害者には人権もないのか。
なぜ、彼女は何度も何度も、殺されなければならないのか。

昔、「女子高生コンクリート詰め殺人」という悲惨な、あまりに凄惨な事件があり、その時も同じように被害者の名前と写真を晒していたが、批判されて止めたことがあったではないか。

いったい、何を学んできたのか。
学習能力のない業界はなくなっても仕方ない。


このエントリーへのコメント

2 例えば、TBS会長の井上氏が社長の頃、こんなことを言ってたそうです。
「テレビは洗脳装置。嘘でも放送しちゃえばそれが真実」(1998年 TBS副社長時代)
「社会を支配しているのはテレビ。これからは私が日本を支配するわけです」(2002年社長就任時)
「日本人はバカばかりだから、我々テレビ人が指導監督してやっとるんです」(2003年)
ある年の入社式では、
『君たちは選ばれた人間だ。 君たちは報道によって世の中を動かす側の人間。 対して一般国民は我々の情報によって動かされる人間だ。 日本は選ばれた人間である我々によって白にも黒にもなる』
http://blogs.yahoo.co.jp/deliciousicecoffee/41279278.html
だってさ。
草木生(そうもくしょう) on 2009/11/21

1 あんな仕事してて、『お父さんの仕事はね・・・』って笑顔で子供に言えるんでしょうかね。
sugibeya on 2009/11/20

2009年11月10日火曜日

人月単価も下がり、火の車でございます@ソフトハウス

人月単価も下がり、火の車でございます@ソフトハウス

公開日時:2009/11/09 12:28
著者:草木生(そうもくしょう)
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ブログに書けないことの一つに、人月単価がある。
高さの順序でいけば、某I社、某ND社・・・となっているあれである。

人月単価は日本の多重下請け構造の産物であるとも言えるが、

元請け → 一次受 → 二次受 → 三次受・・・
我々システム屋は、この階層のどこで仕事をするかでギャラが決まるのである。
もちろん、仕事を出すのは大企業である必要もある。

色々と法律も改正され、二次受くらいまでに整理されてきた構造であるが、この不況を受けて単価が下がりっぱなしである。
90年代初めのバブル崩壊の後より酷い。
このままで逝くと、雇用調整金で年を越せるが、3月にはバタバタと中小のソフトハウスが潰れるだろう。


このエントリーへのコメント

2 人月ネタは、原稿料と同じで公の場では話してはいけないらしい。
生々しいからねぇ。
草木生(そうもくしょう) on 2009/11/09

1 技術者派遣での人月単価のことですね。人件費が一番のコストですから。最後にだれがそのツケを受け取るかで決まります。最後にならないようにするしか逃げ道がないかも。
Hanji on 2009/11/09

2009年11月5日木曜日

情報を独占できない時代

情報を独占できない時代

公開日時:
2009/11/05 11:41
著者:草木生(そうもくしょう)

情報が過剰、ではなく、誤報が渦巻いているね、なんてことをパッケージソフトの開発現場で話していたのが90年代初め 。
インターネットはなかった 。
パソコン通信は既に立ち上がっていて、草の根BBSなどもあった 。

その頃のITいや、コンピュータ業界の情報は雑誌に頼っていた

しかし、今の自分の情報入手法は、本・研究会から本・webに変わっている 。
検索エンジンが充実してきたからだろう 。
その事象の裏取りもwebで済ましてしまうことばかりだ 。
世紀末頃は、有識者に確認していたと思うんだが(たった10年前だ) 。

今は、何も隠しておけないくらいにwebに書かれ、写され、音も聞こえる 。
20世紀の最大の発明とも言えるTVの機能そのものだ 。それも、双方向があり得る 。
プロパガンダ装置としてのTVを超えているのがwebである 。

そのことが、ある特定の人/機関の情報独占を不可能にして、有料化を阻んでいる 。
アービトラージ(情報差分による優位性)が無くなっている 。
ましてや、移動の自由である 。

様々なビジネスなり、有意義な、無意味な、そんな活動が伝わっていく 。
何かを独占できるからこそ、ビジネスとして成り立っていられる 。
それが情報に象徴されている 。

これからのビジネスが難しいのは、何も独占できないところにある。