4回に渡る原稿の最後です。
雑誌に連載されたものですが、元原稿はそこそこ生々しい。
ということで、今回はここまで。
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ベンダ、SIerを緊張させる情報システム部門とは
それにしても、ベンダ、SIerを使いこなしている情報システム部門が
そもそも存在したことはあったのだろうか。
緊張感は信頼関係の中に生じる。
信頼関係とは、イコールパートナであることだ。
互いの力量を測ることができ、そこから相手の尊敬に至る。
とはいえ、情報システム部がベンダ、SIerを使いこなす条件を詳細にすると、
・経営を支えている
・付加価値のある情報を提供できている
・情報戦略立案と実行ができる
・全社の業務モデルを総合的に把握し改革・改善のプロデューサ役を務めている
(グランドデザインをしている)
・調達のためのきちんとしたRFPを書ける
・情報資源管理(EA)を理解し行っている、または志向している
上記のようなことが必要である。
簡単に言えば、AS−IS(社内システムの現状、情報システム部現在のスキル)を知り、TO−BE(あるべき姿)に至るプロセスとスキルを社内外に説明できることである。
3社の事例から
どの会社も実在している会社である。
あなたの所属している情報システム部、情報子会社はあるだろうか。
合併に伴うシステム構築
ある場面では、こんなこともあった。
M社とT社が合併し、統合システムを開発しなければいけなくなったのだが、課長が
弊社に支援を要請してきて、プロポーザルを持って行ったとき、部長が開口一番、
「弊社は○○○のERPパッケージを選択し、SIerであるSシステムに依頼している。
情報システム部としてのリスクヘッジは終わっている。(失敗はSIerの責任、
成功は我々のモノ)今更何があるのか」
唖然としながら、ともかくプレゼンを手短に終わらせ、あきれたまま帰ることとなった。
合併して売上が5000億を超える企業の情報システム部トップがこれである。
支援を要請した課長によれば、見積もりもしておらず、大体これくらい、で握ったらしい。
金額的にはとんでもなく思ったが、2年程度かかるプロジェクト費用としてリスクをSIerに被ってもらうには充分である。
幸い、課長は現在副部長クラスになっていて、キャリアパスから行けば、3年遅れくらい
であろうか。
ちなみに、この会社では5年も経たずに再構築プロジェクトが始まった。
業績が好調であるならば、それも良かろう。しかし、業績は・・・
情報システム部の仕事は値切るだけではない
開口一番、情報システム部の部長は、
「大規模ERPパッケージの導入しかないでしょう」
と言った。
「はぁ? まだ現状調査もしておりませんので、その調査を待ってからそういった結論も
よろしいかと思いますが、時期尚早でしょう」
「いやぁ、もうわかってる。大体、今時我が社クラスの売上では、そうなるのが普通では
ないのか」
「まぁ、パッケージに限らず色々な方法がありますので・・・」
同席している課長は無表情である。
さらに部長は続ける。
「最終的にはアウトソーシングだ。我が社のシステム部門は解散して、設計技術を除いて
アウトソーシングしたい」
この話の前提は、中堅企業A社でホストで運用しているレガシーシステムを入れ替えるための業務改革プロジェクトを行う、主にSCM、管理会計分野をターゲットにする、ということであり、基幹業務の再構築となるのは避けられないものではあったが、最初から大規模ERPパッケージの導入が結論ではなかった。
部長は、
「あのパッケージは導入するのに○○億かかると言われているが、私なら一桁の終わりで
導入してみせる」
課長氏はますます無表情である。
「(そんな事例は聞いたこともないが)そうですか。どうしても二桁かかるのが常識だと
思いますが」
「いや、そのくらいはベンダを叩ける。大丈夫だ」
設計技術から来て、基幹業務システムは知らないという部長が言い切った。
大規模ERPパッケージは値引きするだけでは駄目で、開発方法そのものを情報システム部が握って推進しないと、前記のようになってしまう。
もっと気になるのは、部長が自部門の部下の前で仕事に対するモチベーションを平気で下げる発言を続けていることだ。
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